偉人のイメージを覆す その3

3、足利直義                 『夢の中の問い・足利直義と太平記』

足利直義は足利尊氏の同母弟で、兄弟で協力して鎌倉幕府を打倒して室町幕府を建設した。しかし、後に尊氏と反目して戦うようになって最後には尊氏に捕えられて毒殺された。そうしたところから、鷹揚で人格者の尊氏に対して、直義は冷酷非情な人物と評されて兄の陰に隠れて注目されることはなかった。さらに、時代も近親者同士が争い殺し合う極悪非道の時代として歴史好きの人々にも顧みられなかった。大河ドラマでもこの時代が題材になったのはたった一回しかない。

しかし、こうした時代の中でも、直義は理想に生き、義に生きようとした人物で、むしろ温かな人柄であったことを明らかにする。

哲山堂

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